今回はワウペダルをKemperエクスプレッションペダルに改造する方法を紹介したいと思います。
しかもワウから足を離したら自動でオフになる仕掛けになった仕様です。
実は今更ではありますが最近Kemperを導入してライブやレコーディングでバンバン使うようになりました。
最初は使い方に慣れるまで結構苦戦しましたがようやく一通りのところまでは作業できるようなったところです。
しかしその中である一つの問題が出てきました。
最初はエクスプレッションペダルを使ってKemper内蔵のワウを使っていました。
その中で操作性に違和感がありエクスプレッションペダルの可動域がワウと比べて広過ぎるため思うような演奏が出来なかったんです。
そこで実機のワウを使って演奏するのが手っ取り早いと思ったのですが、トゥルーバイパスと言っても多少の音の劣化はあります。
そこでワウペダルを使ってエクスプレッションペダルを自作することにしました!
そしてスイッチ操作せずワウから足を離した瞬間に自動でワウをオフにできる【ノンストレスWah】を作ることにしました!
その作り方をこれから紹介していきたいと思います。
準備する材料
必要な材料
- ワウペダル(JIM DUNLOP ( ジムダンロップ )CRY BABY 95Q WAH)
- ワウ用ポット10kΩ
- ステレオジャック
- 配線
それでは1つ1つ材料の紹介をしていきましょう!
ワウペダル
今回使うワウペダルはJIM DUNLOP ( ジムダンロップ ) CRY BABY 95Q WAH
ヤフオクからジャンク品を仕入れてきました。
このワウは従来のワウと違ってバネの力で自動で元の位置まで戻ってくる仕掛けがあります。
今回はその仕掛けを利用してKemperと連動させて自動オフを実現させます。
そう、このバネが今回のオートオフ機能でとても大事な役割を果たしています!
ワウ用ポット10kΩ
ワウをエクスプレッションペダル化するために大事なパーツです。
日本ではGarrettaudioで売られてますね。
仕入れ先のGarrettaudioのリンク先です↓
https://www.garrettaudio.com/wah%20parts.html
10kΩのポットじゃないと正常に動かないので買う時は間違えないようにきをつけましょう。
ステレオジャック
エクスプレッションペダルのジャックはステレオです!
モノラルと間違えないように気をつけて用意しましょう。
配線
電子用の配線を用意しましょう!
エクスプレッションペダルの場合、配線なら何でも良いです。
信号のみでKemperとやりとりしているので音色に影響はありません。
なのでBeldenやMOGAMIのようなギターや音響用の配線でなくても問題ありません。
必要な工具
実際に使った工具は以下の4つです。
ホームセンターにあるようなものしか使っていないので比較的簡単に集めれるでしょう!
必要な工具
- ニッパー
- ワイヤーストリッパー
- ハンダゴテ
- グリス
ニッパー
配線を切るために使います。
ご自身が使いやすいものを選びましょう。
ワイヤーストリッパー
配線の被覆を剥くために使います。
これがあるとキレイに被覆を剥くことが出来るので便利です!
ハンダゴテ&ハンダ
配線を繋ぐために使います。
ハンダゴテには電力やハンダの先など色々な種類がありますが40W程度のセット物で充分です。
グリス
ワウのギアに使います。
田宮製のプラスチック向きグリスです。
これがあるとワウの踏み心地がスムーズになるので必須アイテムですね。
ワウペダルの中身を全て取り外す
それでは早速CRY BABY 95Qをバラしていきましょう!
まず裏パネルを開けると写真のようにギッシリ基盤が埋め込まれています。
この基盤を丸ごと外しましょう!
この基盤はネジやナットで固定されています。
これらを緩めると簡単外すことができますよ。
基盤とポットを外した状態です。
元々備えられていたポットも必要ないので外します。
部品を装着
ワウ用ポット10kΩをペダル本体に取り付けます。
次にステレオジャックを取り付けます。
ポットとジャックを本体に取り付ける時は端子を上向きに取り付けるようにしましょう。
なぜかと言うと配線をハンダ処理する時に作業しやすくするためです。
配線処理をする
ハンダゴテを使って配線を繋げていきます。
まずここで気をつけるポイントがステレオジャックとポット同士を繋ぎ合わせる端子の場所です。
まずステレオジャックには3つ端子がありそれぞれ配線を繋ぐ場所が決まってます。
そしてワウ用ポットにも番号がありそれぞれ役割があります。
ポットの背面から見て右から1・2・3という順番なので間違えないように気をつけましょう!
配線図はこのようになります。
ジャックとポットを図のように繋ぎ合わせることでエクスプレッションペダルとして機能してくれます。
黄色の配線がTip、赤の配線がRing、緑の配線がSleeveと色分けをしていると分かりやすくて間違えにくいです。
配線処理はこれで完成です!
あとは裏パネルを元に戻してKemperの設定をしていきます。
Kemperに繋げる
ワウをボードに組み込んだらステレオフォンケーブルをKemperに繋げます。
今回はKemper Remoteを使用して紹介します。
しっかり奥まで差し込まれないと上手く認識しないので気をつけてください。
Kemper本体の設定
それではワウから足を離した時に自動でオフになるようにKenner本体の設定をしていきます。
まずやることは設定画面でステレオケーブルを繋いだ【PEDAL4】の設定を行います。
手順は、
手順
- 【SYSTEM】を押す。
- 【PAGE】キーを使ってPEDAL4の項目を表示させる。
次に上記の画像のように【Mode】と【Function】を変更します。
手順は、
手順
- Modeを【Pedal Type 2】に変更
- Functionを【Wah Pedal】に変更
これで自作エクスプレッションペダルを認識させるための下準備は終わりです。
また、同SYSTEM内のPedal Link【Pade5/18】で自作エクスプレッションがしっかり認識しているか確認ができます。
ワウを踏み込んでいない時は【Wah[CC1]】のメーターは何も上がっていません。
ワウをグイーッと踏み込むと…
【Wah[CC01]】のメーターが上がりしっかり認識してくれました!
KemperのWahエフェクターの設定
それではワウのエフェクターを立ち上げてオートオフの設定をしましょう!
まずSTOMPの中からワウを選択します。
ワウを立ち上げると下記のような画面に移ります。
ここではワウのペダルがかかるタイミングを設定する事ができます。
手順は
手順
- 【PAGE】キーを使って【Page2/3】に移動。
- 【Pedal Mode】を【Bypass@Heel】に変更
以上です!
このPedal Modeではワウをかけるタイミングを5つの種類から設定することができます。
種類 | 役割 |
---|---|
Bypass @ Stop | ペダルを動かすと、エフェクトがスムーズにオンになり、ペダルを動かずにおくと、エフェクトがフ ェードアウトし、オフになります。 |
Bypass @ Toe | ペダルによるコントロールが可能な状態になり、つま先側に倒した時エフェクトがスムーズにフェードアウトし、オフになります。 |
Touch | ピッキングの強さでワウをコントロールするときに選択します。 |
Bypass @ Heel | ペダルによるコントロールが可能な状態になりますが、ヒール・ポジションに戻すとエフェクトがス ムーズにフェードアウトし、オフになります。 |
Off | ペダルやタッチには反応せず、「Manual」の値でエフェクトの強さが固定されます。 |
On | ペダルによるコントロールが可能になります。可変幅は「Range」で設定します。 |
つまり、この設定の中でワウをカカト側に戻した時にオフにらなるように設定したいので【Bypass@Heel】に設定すると言う事です。
以上の設定でワウを踏むと自動でエフェクトがかかり足を離すと自動でワウがカカト側に戻りエフェクトも自動でオフになると言うことが可能なりました!
しかも演奏中の操作性も非常にシンプルなのでワウのオンオフを間違える事もないです。
まとめ
いかがでしたか?
エクスプレッションペダルは構造がシンプルなので思ったより簡単に作ることができます。
とは言っても新品のワウペダルを買ってバラすのはちょっともったいないのでジャンク品や中古品を探して挑戦してみるのが良いかと思います。
市販品には同じ性能を持った【Mission Engineering製 EP1-KP-GN w/Spring load】があります。
2〜3万円ほどするので少しお値段が高く感じますが、今回紹介したワウと同じように足を放すと踏み込みが自動で戻る仕組みになっているのでワウペダルとして非常に使いやすいです。
もし予算の関係でもう少し抑えたい方は今回紹介した手法が参考になるかと思います。