今回はマイクケーブルを自作する方法を紹介したいと思います。
しかも、自分で作れることでメリットもたくさんあるんです。
まずはメリットから。
メリット
- 複数のマイクケーブルを購入する場合、市販品のマイクケーブルより自作マイクケーブルの方が値段安い。
- 好きな長さのマイクケーブルを作れる。
- 使用中のマイクケーブルに接触不良が出ても修繕できる。
デメリット
- ケーブルを作るための工具を揃える必要があるので最初だけ出費が多い。
- 細かい作業なので慣れるまで仕上がりの時間がかかる。
もし10mのマイクケーブルが5本欲しいとなると市販品で買えば値段がどうしても高くなってしまいます。
でも、自作ならケーブルとコネクタを買えばひとつひとつの部品が安いので圧倒的にコストを抑えて作ることができるんですね!
初期費用は少しコストが高くなってしまいますが、工具さえ持っていれば材料費だけで好きな長さ分のケーブルを作ることができちゃいます!
それではマイクケーブルの作り方を紹介していきましょう。
必要な工具と材料
まずマイクケーブルを自作するためには工具と材料が必要なので揃えていきましょう。
ケーブル作りに必要な工具
必要な工具
- ニッパー
- ハンダゴテ
- KESTER44(鉛・なまり)
- ワイヤーストリッパー
ハンダごてはいろいろな種類がありますが電力消費40W〜のハンダゴテで十分です。
鉛はギター業界で有名なKESTER44を使いましょう!
ワイヤーストリッパーは配線の被覆をキレイに剥くために使います。
ニッパーで被覆を剥くこともできますが、配線が細い被覆を剥く場合中の銅線ごと切ってしまう可能性があります。
ワイヤーストリッパーを使えば銅線の部分を残して被覆の部分だけキレイに切り取ることができちゃいます。
あれば便利な工具
テスター
ギターのカスタマイズをしたことある人なら見たことありますよね?
マイクケーブルとコネクタを繋いだら実際にちゃんと繋がっているかテスターを使って確認することが出来ます。
電気がちゃんと通っているのが確認できれば良いので、値段の安いテスターで十分です。
ハンダ吸い取り線
ハンダ吸い取り線を使ってハンダの修正をすることができます。
ハンダの工具を揃える時にはこのアイテムもあると作業時に安心して進めれます。
ケーブル作りに必要な材料
必要な材料
- 切り売りのマイクケーブル【CANARE ( カナレ ) L4E6S BLACK】
- XLRメスコネクター
- XLRオスコネクター
マイクケーブルは切り売りで売られています。
サウンドハウスでは切り売りで1mから販売されているので、必要な長さの分だけ用意しましょう!
マイクケーブルはCANARE・Beldenと言ったいろいろなメーカーから販売されています。
これは音質的にクセがなく、ケーブルの曲がりクセもつきにくいレコーディング・スタジオでもよく使われるプロ用マイクケーブルです。
もしケーブル選びで迷ったらまずCANARE(カナレ) L4E6Sにしておけば間違いなしですね!
コネクタのオスとメスはマイクケーブルを1本作るためにそれぞれ1個ずつ揃えましょう!
これらも各メーカーから販売されていますが、大体1個あたり¥100〜¥500します。
CLASSIC PROのマイク用コネクタは低価格なのに頑丈な作りなので自作ケーブルにオススメなコネクタです。
マイクケーブルの作り方
それでは早速マイクケーブルを作っていきましょう!
配線処理
黒い被覆を剥く
まずは欲しい長さのケーブルに切って、下の画像のように黒い被覆を剥いていきましょう。
黒い被覆を剥くと中に網目状の配線が見えてきます。
この網目状の配線ごと切らないよう気をつけてください。
アース線を作る
次に網目状の配線を解いていきましょう!
テスターの先や爪楊枝など先の尖ったものを使うとスムーズに解けます。
銀色の配線を解いたら下の画像のようにグルグル回して束ねていきます。
この配線がアースの役割をしますのでぐちゃぐちゃにならないようにキレイに束ねていきましょう。
アースとは大地を電路の一部として利用するために、電路を地面につなぐこと。
電気機械から電気を大地に逃す安全装置。
網目状の配線の中は紙や糸で保護されています。
この紙と糸は不要なので切ります。
このように紙と糸を切ると中の芯線4本とアース線1本のみ残りました。
芯線の下準備
芯線4本の被覆を剥いていきましょう。
コネクタの接合部に大体5mmくらいの銅線が乗れば充分なので、芯線の先端から5mm程度の長さを剥きます。
中の銅線まで切ってしまわないように慎重に被覆を切ります。
ワイヤーストリッパーという工具を使うとキレイに被覆だけ切ることができるのでオススメです。
剥き出しになった銅線は下の画像のようにグルグル回して束ねておきましょう!
ニッパーとワイヤーストリッパーさえあればスムーズに作ることができるので慣れればなんてことありません。
コネクタと配線を繋げる
それはいよいよハンダを使ってコネクタとケーブルを繋ぎ合わせて行きます!
まずハンダをする前にブッシュをケーブルに通して置きましょう!
僕はうっかり忘れることがよくあってやり直すハメになってしまいました笑
ケーブルを固定しよう
まずケーブルが動かないように固定しましょう。
ケーブルは若干湾曲しているのでハンダづけしている時に動いてしまってキレイにハンダ付けすることができません。
100均でもクランプは売っているので固定してからハンダした方が良いです。
予備ハンダをしよう
まずハンダをしっかり温めておきます。
ハンダごてが充分に温まったら配線に予備ハンダしていきます。
予備ハンダとは事前に電線(ヨリセン)などにあらかじめはんだを流しておくことです。
こうすることによりはんだ付けの時は合金化反応を行わず、はんだ同士で融合することになり、きれいにはんだ付けできます。短時間で接続でき、ビニール被覆も溶けません。またヨリセンもばらけません。
このように予備ハンダができました!
コネクタの接合部にも予備ハンダをしておきましょう!
ケーブルとコネクタを繋ごう
コネクタの決められた番号同士にケーブルをつなぎ合わせていきましょう。
コネクタをよく見ると番号が振り分けられているのが分かります。
これらの番号にケーブルを3本繋いでいきます。
ただそれぞれどの配線を繋ぐか決まっているので下の表と画像をよく確認してハンダしてください。
番号 | 役割 | 繋ぐ配線の色 |
---|---|---|
1 | グランド(GND) | 銀 |
2 | ホット(hot) | 青 |
3 | コールド(cold) | 白 |
確認できたらケーブルとコネクタを固定してハンダを流して込んでいきます。
このとき長時間金属部を温めすぎるとコネクタのプラスチック部が溶けてしまう可能性があるので気をつけましょう。
このようにコネクタとケーブルを繋ぐことができました!
次にブッシュをコネクタにはめ込んでいきます。
メーカーによりますがClassicProの場合、ブッシュをはめ込む角度も決まっているので確認して奥まで入れ込んでください。
これでメス側は完成です!
見栄えは市販品と全然変わらないですね!素晴らしい!
ではオス側も同じ要領で進めていきましょう!
つなぎ合わせ方はメス側と全く同じです。
最後にブッシュとカバーをはめ込んだらマイクケーブルの完成です!
いやー達成感ハンパない…
それでは実際にきちんとコネクタとケーブルが電気的に繋がっているか確認しましょう!
テスターを使って導通確認をしよう
実際にマイクにケーブルを繋いだ時にきちんと音が出るか不安ですよね?
もし配線を繋ぐ場所を間違えていたら大事なマイクを壊してしまうことにもなり兼ねません。
そうならないようにテスターで電気的に導通確認する必要があります。
テスターを用意しよう
大抵のテスターは導通確認できるようになっているので値段の安いテスターで充分です。
デジタルテスターなら導通した時に導通ブザーが鳴るのでアナログテスターと比べて簡単で分かりやすいです。
テスターの使い方
まず導通ブザーのマークにダイヤルを回して導通モードにします。
これはどのテスターにも備わっている機能なので、ご自身のテスターで確認すれば分かると思います。
準備できたらマイクケーブルのメスとオスの導通確認をしましょう。
マイクケーブルのメスとオスにはそれぞれ番号が振られています。
下の画像のように1番と1番、2番と2番、3番と3番同士にテスターのリード棒を当ててください。
この時「ピーーーーーッ」とブザーが鳴れば導通しています。
3つの穴をすべて確認できたらケーブルの完成です!
まとめ
いかがでしたか?
マイクケーブルは市販品で売られていますが、このように自分で部品を集めて簡単に作ることができます。
自分で作ることができればマイクケーブル1本1mあたり¥300で作ることができ、しかもケーブルに不具合が出てもご自身で修繕できるようになります。
非常にコストパフォーマンスが高いので費用対効果が高いですよね?
今回ご紹介したのはマイクケーブルでしが、これはギターのケーブルも同じようにご自身で作ることができます。
ぜひこのノウハウを今後の活動に役立てていただければ幸いです。